企業がIT部門を持たないということ
ある日の会話
先日、クライアントに紹介された経理担当者から、システムについての相談を受けた時のお話。
全国展開している事業で、各支店の売上を吸い上げて管理するWebシステムを、外注で開発していると言った概要でした。
相談の内容は、
『とにかく使いづらく、仕様がみたされていない』
IT部門がない
質問をしてみました。
私:『外注先と折衝したのは誰ですか?』 経理担当:『パソコンの知識も殆ど無い私です』 私:『なぜですか』 経理担当:『経理の要件を知っているのが私しかおらず、パソコンに一番詳しいのも私だからです』 私:『仕様書などはありますか』 経理担当:『ありません・・・』(どんっ!) 私:『どれぐらいの期間で完成したのですか』 経理担当:『3年目で開発費も膨大ですが、完成していません』(どどんっ!!)
全国展開している企業にもかかわらずIT部門を持たない。
仕様などは全て、経理担当者が外注先の担当者と口頭で決めているとの事でした。(恐ろしや)
さらに、社長自身もIT知識にはうとく、『しょうがない』と言っている始末とのことでした。
システム開発の現状
システム開発の現場では、クライアント(今回では経理担当)がシステムについて詳しくある必要はありません。
エンジニアが仕様をまとめてくれるでしょう。
但し、全く知らない・知識・経験がない場合、今回のケースのようになる旨を説明しました。
大企業でもIT部門の確保に必死
これは経験談です。
縮小傾向の大企業で、事業所ごとのIT部門を含めた縮小や統合の中、各事業所はIT部門確保に必死でした。
社内外の業務は全てネットワークで管理されており、今後の事業戦略やコスト削減に活用できるからです。
今回の例で言うと、内部でシステム開発をする、外注したとしてもしっかりとした仕様のもと、要件を満たすシステム開発が可能ということをみなさん知っているからでした。
IT部門の意義
『世の中の情報や技術は、普段何気なく触れる情報や技術の何歩も先を行っている』ということは、業界の中の人は痛感していると思います。
日々、新しい技術・情報のなかで柔軟な企業戦略が求められつつ、淘汰されないように活かす必要があります。
最近流行りのビッグデータ活用の有無、ネット上に錯乱する情報を見極め、世の中の技術の方向やトレンドを知っている人間が社内にいるかいないか。
社長の目線になれば、どれほど心強いことか。
大袈裟ですか?それとも『無知の知』?
今回の社長のように、本業が起動にのっていれば『しょうがない』で現状は片付くのかもしれません。
しかし今後はさらに、IT部門を持たない会社は、持っている会社と比べ、格段に差がついてくると断言できます。
理由は、『世の中の情報や技術は、普段何気なく触れる情報や技術の何歩も先を行っている』からです。
情報や技術は、ただ集めるだけでなく、発信する必要もあります。
情報ネットワークの土俵は大企業であれ中小企業であれ公平で、後は『活用次第』というところまで来ています。
IT部門の作り方・IT人材の育て方
少し長くなりましたので、別の記事で紹介します。